「相談しに行く場所」だけでなく「自然に足を運んでしまう場所」

立命館守山中学校・高等学校の保健室では、ただただ怪我をしたから来る場所、というだけでなく、
「生徒自身が過ごしやすい場所を選択できる場所づくり」をコンセプトに様々な取組を行ってきました。

 

そこで新たな取り組みとして、デジタル技術による新たな保健室「デジタル保健室」を2024年1月から開室しました。

デジタル保健室 紹介動画

2023年9月9日(土)・10日(日)に立命館守山中学校・高等学校で実施した「あすなろ祭」での取組や、
プロジェクトに関わった生徒や教員のインタビューを掲載している動画をご覧ください。

本活動の特徴

本活動は最先端のICT技術を保健室に導入することで、保健室での課題を解決するだけでなく、

学校教育における先端技術の導入検証を行う役割も担っています。

メタバース・アバター技術

メタバースという仮想空間を用いた場所を選ばない相談体験や、アバター技術を用いた自分の表情や感覚を人に読まれずにコミュニケーションができる仕組を開発・導入しています。

生成AI(Generative AI)

昨今話題の生成AIを用いた、自動で利用可能な相談窓口「AI養護教諭」の開発・試行や、ここで得られた知見を生かした「AI英語教諭」といった技術の開発にも着手しています。

まだ見ぬ先端技術

本活動ではメタバースや生成AIにとどまらず、大学や企業とコラボを続ける事で、様々な先端技術の試行に取り組み、生徒の持つ課題の解決に着手します。

山村 和恵

立命館守山中学校・高等学校
養護教諭

 始めたきっかけは保健室登校がコロナ禍でとても多くなったことです。「今日は教室に行きたくない」「今日は誰ともしゃべりたくない」とかそういった生徒は、コロナ前からいらっしゃいました。「話したくないけれど、気持ちは伝えたい」そんな思いがとても伝わってきました。

 さらに、コロナ禍を経ての特徴として、「顔を見せたくない」といった生徒もふえました。このような課題に対して、現実の保健室やサポートルーム以外の対応方法の一つとして「デジタル保健室」を現在、開発・実践しております。

山内優馬

立命館守山中学校・高等学校
英語教諭

 デジタル保健室の取組を見る中で、自分自身、この技術が保健室だけで無く、自身の担当教科の英語でも利用できるのではないかと考えていました。そんな中、デジタル保健室の公開体験会にて、本学OBが開発した対話AIを見て「これは絶対に授業にも使える!」と確信を覚えました。

 現在は東京書籍株式会社の提供するNewEというプラットフォームでの、先端技術の活用方法について、模索しています。

これまでの活動歴

2023年4月~7月

デジタル保健室のニーズ調査

デジタル保健室の実施にあたり、保健室利用者や養護教諭同士のディスカッションを実施。

利用者の持つ課題に対して、どのような技術が解決策として役立つかのニーズを調査。

2023年6月~9月

メタバース保健室の再現

ニーズ調査を経て、特にアバターを用いたコミュニケーションが重要であると判明。
立命館守山中学校・高等学校の生徒とOBOGが協働しながら、保健室をメタバース上に再現。

2023年9月

文化祭「あすなろ祭」にて、生徒らが体験会を実施

開発した技術と協力企業から提供いただいた技術について、サポートルームでメタバース保健室の体験と感情センシングの2つの取り組みを参加者の皆さんに体験してもらいました。

2024年1月

デジタル保健室を開室、校内体験会を実施

開発した技術の内、メタバース保健室について、一部生徒への提供の準備が完了したため「デジタル保健室」を開室。また、生成AIを用いた学習体験も行い、新たな技術導入の検証が始まりました。

2024年6月

デジタル保健室の公開体験会を実施

利用を開始しているメタバース保健室、およびOBの中井有希さんによって開発された音声対話型AIを搭載したアバターを公開体験会にて発表。複数のメディアからの取材を受けました。

2024年8月

立命館守山メタバース教員研修を実施

デジタル保健室の取組を紹介するとともに、立命館大学でのメタバースの取組や東京書籍株式会社提供のNewEに関する紹介、デモンストレーションを実施。教職員側の先端技術に関するリテラシー向上に取り組みました。

2024年9月

文化祭「あすなろ祭」にて、山内教諭による英語ワークショップ、
さらに生徒による探究学習の成果発表を実施

山内教諭による、メタバースや生成AIを活用した英語ワークショップを実施。さらに探究学習の成果発表をNewE Metaverseを用いて実施。2日間で約40名の参加者が集まり、さらに展示には多くの方々が来場されました。

2024年12月

ICT夢コンテスト2024にて「文部科学大臣賞 地域部門」を受賞

令和6年12月16日(月)、立命館守山中学校・高等学校が実施する「デジタル保健室」の取組が、一般社団法人日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)が主催するICT夢コンテスト2024の「文部科学大臣賞 地域部門」を受賞しました。

2022年度以前の立守での活動の様子

2022年度に実施したメタバースで立守を再現した活動
メタモリの活動のレポートをnote で発信しています。

本活動は立命館学園が提供するグラスルーツ実践支援制度(GPSP)
の支援を受けて活動を行っておりました。

メディア掲載歴

読売新聞:生徒の悩み、ネット空間「デジタル保健室」で…アバターで周り気にせず相談

読売新聞:デジタル保健室 心癒やす

中日新聞Web:「メタバース保健室」で悩み相談を 立命館守山中高で試行、不登校の生徒支援にも

びわ湖大津経済新聞:立命館守山中学高校にメタバース保健室 アバターで養護教諭と会話

教育新聞:メタバース活用した「デジタル保健室」開室 立命館守山中学高校

立命館大学新聞社:立命館守山中・高「デジタル保健室」開設
立命館大学HP:デジタル保健室ついに公開体験会開催 ~情報理工学部3回生 中井勇希さん~

NHK大津、関西:メタバースに「デジタル保健室」守山市の私立学校が導入

びわ湖大津経済新聞:立命館守山中学高校でデジタル保健室体験会 「学校にできることはまだある」

中日新聞:体の不調、AIロボに話してみて 立命館守山中・高に「デジタル保健室」

京都新聞:仮想空間にデジタル保健室 アバターで入室、AIに相談 立命館守山

毎日新聞:立命館守山中・高校 デジタル保健室開室 悩み、AI「教員」にお任せ 仮想空間、気楽に話せると好評 /滋賀

朝日新聞:仮想空間にデジタル保健室 アバターで入室、AIに相談 立命館守山

主催団体

学校名 | 立命館守山中学校・高等学校
所在地 | 〒524-8577 滋賀県守山市三宅町250番地
校長 | 岩崎 成寿 (いわさき なるひさ)
連絡先 |
電話:077-582-8000(代表) FAX:077-582-8038

実施協力団体

一般社団法人インパクトラボ

担当:上田・戸簾